コンクールの背景と目的



違法伐採業者に伐採され、押収された木たち
2013年10月撮影


なぜこのコンクールを開催するのか



歌を歌う前に、アフリカ、ウガンダの地で何が起こっているかを知っていただきたくこのページを作りました。内容はパワーポイントにまとめたものが下記からダウンロードいただけます。歌を歌う前に、参加者の皆さんの情報共有にご利用下さい。ノート部分に説明があります。内容に関してご質問などありましたら、実行委員会にご連絡ください。

説明用パワーポイントファイル「ウガンダの森はいま」51MB
https://www.dropbox.com/s/abhv82rpxiarl4z/ウガンダの森はいま.pptx
→動画と音声を含んでいるのでサイズが大きいです。ご迷惑おかけします。



森林面積の減少


ウガンダでは過去15年間で国土に占める森林面積の割合が20.4%から14.8%へ減少しています。




森林は消費資源?

学校で給食の調理につかう薪を運ぶ小学生
2013年2月撮影
森林カバー率減少の主な原因は2つあげられます。1つは、木が調理燃料として家庭で利用されるため、森林の周辺住民によって伐採されていること、2つめは、木が木材として高い価値をもち、国内消費および海外へ輸出目的で、組織的な違法伐採が行われていることです。温暖な気候と、適度な降水量に恵まれたウガンダでは、樹木が成長するスピードが日本より2〜3倍も早いため、ウガンダでは木が、投資に値する、消費資源としてとらえられています。
 たとえば、ウガンダの森林の専門家ですら、私が「この木はなんという木ですか?どんな特徴がありますか?」と生物学的な特徴を想定して質問しても、「ああ、すごく良い材木になるよ」という答えが返ってくるのです。これは大変ショックでした。
森が環境保護的な役割を果たしていることにはあまり注目されていないのが現状です。




ウガンダの主食マトケ
バナナの葉でくるみ、薪で2~3時間蒸す
 毎食これではガスでは持たない。

家庭での利用

2001年の調査では国民の97%が薪や木炭による燃料に依存していると報告されています。10年以上前のデータではありますが、ウガンダの主食であるマトケの風味を生かす調理方法として欠かせないため、都市部ではガスの利用も増えてはいますが、地方では現在でもほとんど薪や木炭が燃料として引き続き利用されています。また、人口増加もこの流れに追い打ちをかけています。このため住民による自然保護区での違法伐採が後を絶ちません。












森林保護区内で堂々と積み荷していた
違法伐採業者の車 2013年10月撮影
伐採業者との戦い

私たちNational Forestry Authorityは ウガンダ国内の509ある森林保護区を限られた人数のスタッフで守っています。
財源も限られているため、ほとんどの森林保護区では車やバイクでのパトロールがかなわず、毎日広大な保護区を自転車や徒歩でパトロールしていますが、残念ながら取り締まりは追いつかず、毎日この瞬間にも貴重な森が壊されています。
そして時に、このパトロール隊員やスタッフ、地域の協力者たちは、違法伐採者に車をパンクさせられたり、家畜を殺されたり、家を燃やされるなど、嫌がらせや脅迫、命の危険にさらされることもあるのです。



森林伐採業者を現場で取り押さえている様子
2013年10月撮影

まず、なぜその木が重要なのかを知ってもらうことから

人口増加や文化的背景など複雑な要因がからんでいるため、すぐさま問題を解決することは難しいですが、ウガンダの人々に森の別の役割を知ってもらい、次の世代のためにどうするのが良いか考えてもらうことは可能だと思い立ちました。
そこで、森林保護をテーマとした合唱コンクールを、JICAボランティアが主催で実施することにしました。
子供たちに森の役割を繰り返し歌ってもらうことで、保全の意識を高めてもらうことをねらいとしています。


ウガンダの森で起きている問題は他の国にも当てはまる部分があるのではないかと思います。世界中の人々にも一緒に考えてもらえるよう、ウガンダのみならず、日本をはじめ、各国の皆様からの応募もお待ちしています。

青年海外協力隊24年度1次隊 環境教育隊員 田中加奈子 




参考資料 (上記の数値についてこちらで詳しく見ていただけます)

ウガンダの環境局レポート(英語) http://nema-ug.org/national_s_o_reports.php

ウガンダ統計資料(英語)http://www.ubos.org/?st=pagerelations2&id=31&p=related%20pages%202:Statisical%20Abstracts